鹿児島に0-4惨敗。それでもアルビレックス新潟は止まらなかった――3日後に見せた「本当の強さ」

鹿児島ユナイテッドFCに0-4。

正直、あの試合を見て、

「アルビ、大丈夫か?」

と思った人は少なくなかったはずだ。

私もそうだった。

しかも場所はデンカビッグスワン。

ホームで4失点し、得点はゼロ。

38分、51分、72分、そして後半アディショナルタイムにも失点。

スコアだけを見れば「完敗」と言うしかない試合だった。

ところが――。

そのわずか3日後。

アルビレックス新潟は、いわきFCとのアウェー戦で3-2の逆転勝利を飾った。

そしてリーグ戦では、

札幌戦 ○2-1
藤枝戦 ○1-0
いわき戦 ○3-2

これで3連勝。

鹿児島戦の0-4はいったい何だったのか。

そして今のアルビは、本当にJ1昇格を狙えるチームになってきているのか。

今回はそこを考えてみたい。


■鹿児島戦0-4。確かにショックは大きかった

8月26日の天皇杯2回戦。

アルビは鹿児島ユナイテッドFCに0-4で敗れた。

しかも0-1で折り返した後半だけで3失点。

何より気になったのは、一度流れを失ってから試合を立て直せなかったことだ。

「リーグ戦2連勝の勢いはどこへ行った?」

そう思ってしまう内容だった。

ただ、ここで一つ冷静に見なければならない。

鹿児島戦とリーグ戦では、メンバー構成が違う。

鹿児島戦では内山翔太、早川史哉、佐藤海宏、森昂大、舩木翔、古長谷千博、星雄次、前田椋介、イウリ・カスティーリョ、桑山侃士らが先発。

連戦を戦う中で、チーム全体の力が問われた試合でもあった。

だから0-4という結果を軽く見る必要はないが、

「鹿児島戦=現在のアルビのリーグ戦での力」

とそのまま判断するのも違うと思う。


■そして3日後。アルビは「2度」追いついた

個人的に、いわき戦で一番評価したいのはここだ。

勝ったことだけではない。

試合中に2度もリードされたことだ。

前半8分。

いわきに先制される。

普通なら、鹿児島戦0-4の嫌な記憶が頭をよぎってもおかしくない。

ところが14分。

若月大和が同点ゴール。

1-1。

そして後半54分、再びいわきに勝ち越される。

2-1。

また追いかける展開になった。

ここからだった。

61分。

桑山侃士。

2-2。

さらに、そのわずか2分後。

63分。

マテウス・モラエス。

3-2。

逆転。

鹿児島戦で4失点したチームが、その3日後に2度リードされながら試合をひっくり返した。

これはかなり大きい。


■「強いチーム」の勝ち方が出始めている

J1昇格を狙うなら、毎試合完璧なサッカーをする必要はない。

むしろ長いリーグ戦では、

・先制される
・内容が悪い
・相手に流れを握られる
・主力の状態が上がらない
・連戦で疲労がたまる

こういう試合が必ず出てくる。

そこで勝点を拾えるか。

これが大きい。

船越優蔵監督もシーズン前に、苦しい試合を勝ち切ることの重要性を語っている。

そして、いわき戦はまさにそれを結果で示した試合だったと思う。

先制されても追いつく。

もう一度勝ち越されても追いつく。

そして最後は逆転する。

「負けそうな試合を勝ちに変える力」

これが本物になってくれば、アルビはかなり面白い。


■リーグ戦3試合を見ると、勝ち方が全部違う

ここも重要だ。

①札幌戦 2-1

ホームで2得点を奪って勝利。

②藤枝戦 1-0

派手さはなくても無失点で勝ち切った。

③いわき戦 3-2

2度リードされながら逆転。

つまり、

2-1で勝つ。
1-0でも勝つ。
2点取られても3点取って勝つ。

違う展開の試合を3試合続けてものにしている。

これは単純な「勢い」だけでは説明できない部分がある。


■ただし、まだ手放しでは喜べない

ここはアルビサポだからこそ冷静に見たい。

リーグ戦はまだ4試合。

開幕の大宮戦には0-1で敗れている。

そして天皇杯では鹿児島に0-4。

つまり現在のアルビには、

「うまくいかない試合をどう修正するか」

という課題がまだ残っている。

特にいわき戦でも2失点している。

J1昇格を本気で狙うなら、毎回3点取って逆転するわけにはいかない。

船越監督がシーズン前に掲げていたのも、

「1点以上取る」「失点は1点以下に抑える」

という考え方だった。

この基準で考えれば、いわき戦は攻撃面では合格でも、守備にはまだ改善の余地がある。


■それでも鹿児島戦後に崩れなかったことは大きい

もし鹿児島に0-4で敗れ、そのままいわきにも負けていたら――。

「リーグ2連勝はたまたまだったのでは?」

という空気になっていたかもしれない。

しかしアルビは違った。

0-4の3日後。

アウェー。

しかも2度のビハインド。

それでも勝った。

これは技術や戦術だけではなく、

チームとして簡単には崩れない強さ

が出てきているように感じる。

もちろん、まだ4節。

昇格を語るには早い。

だが、

「今年のアルビ、もしかしたら……」

そう期待させてくれる3連勝なのは間違いない。


■次の横浜FC戦が本当の試金石になる

次節は9月6日。

アウェーで横浜FCと対戦する。

ここはかなり重要だと思う。

3連勝したことで、今度はアルビが「勢いのあるチーム」として相手から警戒される。

その中で4連勝できるのか。

もし横浜FCにも勝つようなら――。

そろそろ本気で、

「J1復帰」

という言葉を口にしてもいいのではないだろうか。

鹿児島に0-4で負けた夜には想像しづらかった景色。

それを、わずか3日後のアルビがもう一度見せてくれた。

だからサッカーは面白い。

そして今年のアルビレックス新潟。

まだ始まったばかりだけど、ちょっと期待していいんじゃないか。

次の横浜FC戦。

ここで勝ったら――。

本当に面白くなる。